Japanese
English
今月の主題 狭窄を来す小腸疾患の診断
序説
小腸狭窄性病変における診断のアルゴリズム
Introduction
松本 主之
1
Takayuki Matsumoto
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
小腸腫瘍
,
小腸潰瘍
,
小腸内視鏡
,
アルゴリズム
Keyword:
小腸腫瘍
,
小腸潰瘍
,
小腸内視鏡
,
アルゴリズム
pp.1657-1659
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200783
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はじめに
小腸は5m以上に及ぶ長い管腔臓器であり,腸間膜に固定されながら複雑な腸索を形成している.また,内径は大腸に比べても小さいため容易に管腔狭小化に至る.したがって,小腸の狭窄性病変に遭遇することは比較的多い.しかしながら,小腸内視鏡検査法が確立された今日でも診断に難渋する症例に遭遇するのも事実である.事実,本邦の小腸内視鏡診療ガイドラインでは,“原因不明の消化管出血”とともに“狭窄”も内視鏡検査の適応として重要な徴候に挙げられている1).
狭窄を来す小腸疾患には多種多様の疾病が含まれている2).また,小腸では腫瘍性疾患よりむしろ非腫瘍性病変の頻度が高いことも特徴である.したがって,小腸狭窄を正しく診断するためには,詳細な病歴聴取,臨床検査成績の把握,CT・MRIを含むX線造影所見・内視鏡所見と生検病理組織学的所見を分析し,その上で鑑別診断を想起することが必須となる.本稿では,狭窄を来す小腸疾患の診断過程に関して,筆者の考えを述べる.
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