インタビュー 中村佑子さん
だから,私は母を考える
pp.374-380
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202322
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
妊娠出産と育児で,赤ちゃんと溶け合うような「自他未分」の状態になった中村佑子さん。その体験を語る言葉がないことに衝撃を受け,母についての聞き書きを重ねて著した『マザリング 現代の母なる場所』(2020年,集英社)は,母なることを語る新しい試みとして注目を集めました。
その最終章で辿り着いたご自身の母の記憶を紐解くことから生まれたのが,昨年発行された『わたしが誰かわからない ヤングケアラーを探す旅』(医学書院)です。この本の中で中村さんは,母として感じた自他未分の状態は,かつてヤングケアラーである娘として,母と溶け合うように生きてきた経験に基づいていたのだと発見します。
母であること,そして娘であることは,誰にとってもとても個人的な体験でありながら,脈々とつながる命に連なる普遍的な体験でもあります。それを語る言葉を探し続ける中村さんに,ご自身の妊娠出産について,そして2冊の本について,お話を伺いました。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.