特集 助産所でも診療所でも病院でも ここまでできる産後ケア
—【病院における宿泊(ショートステイ)型産後ケアの実際】—なでしこレディースホスピタル
総毛 薫
1
,
小川 芽衣子
1
,
北山 涼子
1
,
竹内 康人
1
,
大橋 正伸
1
1医療法人三友会 なでしこレディースホスピタル
pp.124-129
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202261
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近年,結婚・出産年齢の高齢化のため,ハイリスク妊婦が増加しているが,急性期病院では,DPC制度下で産褥婦の入院期間を延長してケアを行うことは難しい。家族状況をみても,核家族世帯が増え,祖父母世代は高齢で介護が必要であったり,就業していたり,祖父母と親の関係性が良好ではないといった理由で,産後に上の子を含めた充分な支援を受けることが困難な場合がある。そのようななかでも,母親は,自分が優先してサポートを受けることを遠慮してしまう傾向がある。
そこで,なでしこレディースホスピタル(以下,当院)では,2020年4月より産後ケア事業(宿泊型・デイサービス型)を開始した[表1]。出産場所にかかわらず産後4カ月までの母児を受け入れ,母親のニーズに沿った丁寧なケアを行うことが,産科施設の担うべき新しい役割であり,次子の出産にもつながると考える。この新しい役割を果たすことにより,ケアの質とスタッフのモチベーションを向上させることもできている。
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