特別企画 慢性疾患の増加と病院
デイケア,ショートステイ,老人病院運営の経験
上村 安一郎
1
,
日沼 貢
2
,
工藤 星江
3
1鵠生園
2富士見台ケアセンター
3武蔵野療園病院医療福祉課
pp.1075-1081
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207336
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障害老人の"デイケア"を運営してみて
鵠生園は昭和49年8月5日,特別養護老人ホームとして開園した(50床),かねて施設の社会化を企図し,在宅障害老人の入浴サービスを呼びかけ,老人は家族に連れられて来園し喜ばれた.昨年8月,開園"5年のあゆみ"誌の"今考えていること"欄に次のような記事を掲載した.「どうにか5年経過した.(中略)今年の秋から,国の要請で新規事業の『老人デイサービス事業』というのを引受け着工することになった.デイケアではなくてデイサービスだという.要綱はまだ案だということだが,奥歯に物がはさまったような言い方で,建て前と本音という流行語を思い出した.前年度の事業であるため,年度末の3月末に既設のホームの和室を使って形ばかりのデイサービスを始めた.専用の建造物は図のように,すべて既存のホームと連動させた.今年の5月8日に竣工式を挙行し,12日の月曜日から正式に発足させた.送迎サービス用の小型バスも届けられた.車椅子が2台乗せられるように,リフトが設置された8人定員のものだった.しかし車体の設計は素人ながら感心できるものではない(最近フランスで見た小型バスに乗って,なにか彼我の力関係を感じた).
さて,実施要綱では利用者1日25人,週1〜2回ということになっているが,従業員は指導員1,寮母2,運転手1の4名が正職員で,昼食サービスのためのパート2である.後で述べるが絶対必要な医療職員は全くない.
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