特集 データでみる「助産所のお産」 嘱託医療機関との連携で実現する安全性と継続性
1.助産所との医療連携の成り立ちとその実績の推移
土屋 清志
1
1医療法人社団均禮会 府中の森 土屋産婦人科
pp.8-11
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202236
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助産所との出会い
1997年に,東京都で最初の総合周産期母子医療センター(MF-ICU)が杏林大学医学部附属病院に開設され,東京都多摩地域から多くの周産期異常症例が集まりました。筆者は開設当時のスタッフとして,その診療に携わりました。その中には,助産所から搬送された症例もありました。最新の医療機器が並ぶ母体胎児集中治療室の中に,エプロン姿の助産師が便箋に書いた紹介状を携えて,妊婦同伴で来る姿に触れました。これが助産所の助産師との医療連携の始まりです。その後,東京都杉並区にある豊島産婦人科の豊島克先生から,助産所との医療連携の取り組みの話を聞く機会があり,高次医療施設の周産期医療者として助産所との関わりを考えるようになりました。
この時の課題は,助産所からMF-ICUに直接,母体搬送されることでした。搬送の適応の判断,搬送先の選択,診療情報の書式,まずは共通の設定から始めるべきだと考えました。そして軽症例は,助産所の近所の一次医療機関で速やかにファーストコンタクトすべきだと考えました。
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