特別記事
不妊治療の保険適用拡大を解説する—助産師に知っておいてほしいこと
上澤 悦子
1,2
1京都橘大学看護学部
2生殖看護学会
pp.434-440
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202045
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保険適用拡大の背景
不妊を意識する女性の高齢化
本邦は,晩婚と晩産の少子社会である。2020年の出生児数は84万835人と,2019年から2年連続して80万人台となり,2021年は81万1604人と,統計を取り始めてから最少となっている1)。
しかし現在,不妊を意識し心配するカップルは3〜5組に1組の割合と言われ,体外受精・顕微授精後の凍結胚移植などでの生殖補助医療(assisted reproductive technology:以下,ART)の利用者は年々増加している。2019年度はARTの総治療周期数は45万8101件,生産児数は5万8986人となり,全出生児の14.7人の1人がARTでの出生児となった2)。
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