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第1土曜特集 生殖医学――基礎研究と実地診療の進歩
不妊治療の保険適用:現時点までの振り返り
Insurance coverage of infertility treatment:a review to date
原澤 朋史
1
Tomofumi HARASAWA
1
1厚生労働省大臣官房厚生科学課主任科学技術調整官
キーワード:
不妊治療
,
保険適用
,
実態調査
,
生殖医療ガイドライン
Keyword:
不妊治療
,
保険適用
,
実態調査
,
生殖医療ガイドライン
pp.1005-1011
発行日 2024年12月7日
Published Date 2024/12/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291101005
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わが国における喫緊の課題のひとつである “少子化の進行” への対策として,具体的な道筋を示すため「少子化社会対策大綱」が閣議決定された.そのなかで示された方向性や,2020年9月に発足した菅内閣の基本方針において示された方針を踏まえ,2022年度当初から不妊治療の保険適用を実施するという方針を政府として打ち出した.関係学会などの協力を得ながら,不妊治療の実態把握とエビデンスの整理を進め,中央社会保険医療協議会(中医協)における議論を踏まえ,令和4年度診療報酬改定において原因不明の不妊や,原因疾患への治療が奏効しないものに対して実施される生殖補助医療などの不妊治療が保険適用されることとなった.不妊治療の保険適用については一定の評価がされているが,今後に向けた課題も指摘されており,引き続き,制度の運用状況をみながら,適切な運用に向けた見直しを順次行う必要があると考える.
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