連載 インタビュー 日本の“産婆の心”を受け継ぐために 小児科医師が聴く,助産婦の語り・3
女性が産むため,生きるために支え続けたい
矢島 床子
1
,
桑原 勲
2
1矢島助産院
2くわはらこどもクリニック
pp.758-763
発行日 2020年10月25日
Published Date 2020/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201642
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教員になるために助産婦学校へ
桑原 矢島さんが助産婦を目指されたきっかけを教えていただけますか。
矢島 これは私の宝物,矢じりなんです(762ページの写真参照)。これを拾い始めたことが,助産婦になるきっかけでしょうね。小学校に矢じりを拾う先生がいて,5000年以上も前におじさんたちがこれを使って生きていたんだと教わりました。私のうちは畑がたくさんあったので,矢じりを拾ってはそれを見ながら,いつも縄文時代を想像し,空想の中でおじさんと会話していたんですよ。縄文時代の人たちから,命がずっと今までつながってきていると感じていたんでしょうね。いつの間にか,私は医者になりたいと思うようになりました。でも,医者になるにはお金がかかりますし,看護婦だったら奨学金があるというので,高山赤十字看護専門学校に入ったんです。
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