今月の話題
「私らしさで──産む,産まない」をめぐって—人生をのびのび豊かに生きるために
青木 やよひ
,
丸本 百合子
1
1同愛記念病院産婦人科
pp.753-756
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900396
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「性と人権」を考えてもらうために
青木 私たちはこのたび,『私らしさで産む,産まない』という本を出版しましたが,助産婦の方々にもぜひお読み頂きたいので,本の紹介を含めてポイントを話しあってみたいと思います。
戦前の日本の女性には「産むか・産まないか」を自分で選択する自由がなかったわけですけど,戦後でさえもそういう自覚がしっかり定着したかどうか疑問ですね。一見自分で選んでいたようだけれども,結局状況から選ばされていた場合が多いんじゃないか。たとえば親が期待するからとか,親戚の人が子どもがないのはおかしいというからとか,あるいは一人っ子はよくない,やっぱり「結婚したら子供は2人」みたいに思い込んで,産むことを深く考えないできた。
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