生活ノートから
産むということについて
松谷 みよ子
pp.68-69
発行日 1968年10月10日
Published Date 1968/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204302
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つい先日のこと,若い友人が訪ねてきた。もっとも若いといっても,小学校2年生になる娘をつれて来たのだから,もはやうら若くはないのだが,この友人,あやちゃんは,私の家に同居もし,結婚式の時には私の花嫁衣裳を着て家から嫁入りした。そんな関係なので私にとっては,そんなに年もちがわないのだが,まるで娘のように思われる人なのである。
そのあやちゃん……(とよんでは悪いかもしれない。),あや子夫人が,一寸はずかしそうに,2人目ができたのと報告した。上の子がもう2年生なのだから,ずい分間があくわけだけど,とにかく一人っ子で育つよりは二人っ子の方がどれだけよいか判らない。私はそれはよかった,それはよかったを連発した。するとあや子夫人は,またちょっとはずかしそうに,
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