特集 明日の看護を見つめて
新春随想
産むことは生きること
菅沼 ひろ子
1
1聖母病院
pp.54
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900027
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初めてお産と出会った時の感動,それは映画の一シーンの中に自分もはめ込まれてしまったような感覚と共に,とにかく涙をこらえきれない,衝撃的な感動であったように記憶しています.
今,私は分娩室という臨床の場に助産婦としています.かつての「私」と同じように始めてお産を見る看護学生と共に…….そして私は,彼女たちがお産の場面に溶け込んでいく過程を見るのが楽しみでもあり,仕事をしている上での喜びでもあるのです.流れ出る涙を一生懸命止めようとしている姿や産婦さんの手を握りしめ,一緒に息んでいる姿などに私は「いいぞ!」と心の中でつぶやきながら,学生の真っ白な心に感動しています.
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