特集 助産婦の100年—世紀を超えるもの
出産は産む人のもの—地域共同体が支えた産む人の安心
吉村 典子
1
1松山市男女共同参画推進センター・文化人類学
pp.1025-1030
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902541
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はじめに
本稿では「出産は産む人のもの」という面に限定して,「産む人が産むしかなかった時代」の,産む人と産む人を取り巻く伝統的地域共同体との関係を,人々がもっていた「ものの見方」や生き方,および時々に施行された関連法制度などの意味と絡め合せて検証してみたい。
そのような作業が,日進月歩の勢いで突っ走る医療技術に自分を預け,医療者にすがってもなお満たされない「安心」にいらだつ現代の産婦たちにとって,本当の「安心」とは何かを根底からとらえ直す手掛かりになるだろうと思うからである。
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