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実践に直結したCQ
本ガイドラインの第Ⅵ章は,「CQに基づくガイドライン」が示されています。日本助産師会の会員から寄せられた乳腺炎に関するクリニカルクエスチョン(CQ:Clinical Question,臨床上の疑問)の中から,日頃の実践において助産師の関心が高く,多くの類似した項目が寄せられた8つのCQを設定しました。CQに対しては,教科書や専門家からの意見ではなく,入念な網羅的文献検索を行い,信頼できる研究を集め,それらの結果から,分かっていること(または,分かっていないこと)を記載しました。1つ1つの研究に加え,系統的レビュー(コクランレビュー),ABM臨床プロトコル第4号(2014年改訂版)の記載も参照して,8つのCQに該当するエビデンスを整理しました。収集されたエビデンスに関しては,『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017』およびGRADEを参考にエビデンスの強さを評価し,エビデンスからの推奨度(強い推奨から弱い推奨)を決定しました。また,個別のエビデンスが少ない,もしくはない場合には,日本助産師会・日本助産学会としてどのようなケアを提案できるか,コンセンサス会議において検討を行いました。全体として,推奨の決定までのプロセスを丁寧に記述し,読者がその妥当性を評価できる(納得できる)ように努めました。結果,約30ページと見応えのある内容になっています。
乳腺炎ケアについては,研究は豊富そうだが,実際はどうなのだろうか? どのくらいあるのだろうか? 私たちが日々行っているケアは,信頼できる研究により裏付けられたものであるのか? そもそも,信頼できる研究って何? このような疑問をお持ちの方は,ぜひ,お読みください。目からうろこ,思わぬ発見ができるのではないかと思います。
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