特集 習慣化されたケアをエビデンスから検証する
分娩後の子宮のマッサージは出血量を減らすの?
増澤 祐子
1,2
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野
2聖路加国際大学大学院看護学研究科ウィメンズヘルス・助産学
pp.960-961
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201155
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Research Question
分娩後の子宮底のマッサージは,分娩後出血量を減少させるのか,させないのか。
Answer
システマティックレビューによると,児娩出後(胎盤娩出の前後での介入を含む)に女性が子宮マッサージを受けた場合と,子宮マッサージを受けない場合を比較した結果,輸血の実施,500mL以上の出血,追加の子宮収縮薬の投与の必要性に差はなかった。また,児娩出後30分間の子宮マッサージのみを受けた群と,子宮収縮薬の投与のみを受けた群を比較した場合,子宮マッサージのみを受けた群における,300mL以上の出血が多かった。
これらの研究結果は,予防的な子宮収縮薬の投与を行なった女性に限定的である。子宮収縮の予防投与を行なった場合の子宮のマッサージは,分娩後出血量を減らすとはいえない。
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