診療
分娩直後の予防的子宮収縮剤投与のルチーン化による分娩時出血量の変化
安井 啓晃
1
,
戸田 繁
,
坪内 寛文
,
菅 聡三郎
,
深津 彰子
,
菅沼 貴康
,
鈴木 崇弘
,
松澤 克治
1安城更生病院 産婦人科
キーワード:
Dinoprost
,
Oxytocin
,
Hemoglobins
,
子宮収縮剤
,
分娩後出血
,
産後管理
,
筋肉内注射
,
後向き研究
,
治療成績
,
化学予防
,
静脈内注入
Keyword:
Hemoglobins
,
Injections, Intramuscular
,
Postpartum Hemorrhage
,
Infusions, Intravenous
,
Oxytocics
,
Oxytocin
,
Postnatal Care
,
Retrospective Studies
,
Dinoprost
,
Chemoprevention
,
Treatment Outcome
pp.357-362
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017202862
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経腟分娩後に予防的子宮収縮剤を使用する新方針導入後に満期単胎経腟分娩となった177例(I群)、新方針導入前に満期経腟分娩となった226例(C群)を対象とした。I群のうち、オキシトシン(OT)5単位筋注を施行した55例をO群とした。分娩誘発・促進例は、C群58例(25.7%)、I群66例(37.3%)で、I群が有意に多かった。C群の子宮収縮剤使用は126例であったが、予防的投与と追加的投与の別はカルテからは判別不能であった。I群では170例に予防的子宮収縮剤が使用され、追加的子宮収縮剤は80例であった。分娩時出血量はI群が有意に少なかった。多量出血症例はI群で少ない傾向を認めた。O群は分娩誘発・促進症例が極端に少ないという症例背景のバイアスを認めた。C群とO群のなかで、分娩誘発・促進を施行しなかった各168例、53例の間であらためて比較検討し、分娩時出血は有意にO群が少なかった。O群はC群と比較して、分娩3日目のHb値が有意に高く、Hb減少量が有意に小さかった。分娩3日目におけるHb 8.0g/dl未満の症例はC群20例、O群0例と有意差を認めた。
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