特集 習慣化されたケアをエビデンスから検証する
出産直後にお母さんのお腹に乗せるアイスノン®は何の効果があるの?
増澤 祐子
1,2
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野
2聖路加国際大学大学院看護学研究科ウィメンズヘルス・助産学
pp.958-959
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201154
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Research Question
出産直後に産婦のお腹の上に乗せるアイスノン®は,分娩後出血量を減少させるのか,させないのか。
Answer
出産直後より2時間ほど,産婦の下腹部にアイスノン®をのせて冷やすことと,冷やさない場合とを比べると,分娩後2時間までの総出血量は減らなかった。産婦は,下腹部にアイスノン®が乗っていることにより,程度に差はあるものの,不快感を訴えていた。この研究は,分娩第3期にオキシトシンの予防投与を受けていない産婦を対象とした研究の結果であった。
この研究の結論では,アイスノン®で下腹部を冷やすことにより,分娩後2時間までの総出血量を減らすことはできず,出血量を減らす目的で,ルーチンで下腹部を冷やすケアを提供すべきではないとしている。
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