特集 習慣化されたケアをエビデンスから検証する
出産中の継続的な付き添いは効果があるの?
福澤(岸) 利江子
1
1筑波大学医学医療系国際看護学
pp.941-944
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201148
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Research Question
出産中に継続的な付き添い支援を行なうと,どんな効果があるのか。
Answer
出産中に継続的支援を受けると,自然な経腟分娩に至ることが多くなり,帝王切開・吸引分娩・鉗子分娩が減る。ほかにも,分娩所要時間が短くなる,否定的な出産体験が少なくなる,出産中の鎮痛剤使用が少なくなる,局所麻酔(硬膜外麻酔など)の使用が少なくなる,出生5分後のアプガースコア低値が減るなどのさまざまな効果がある。有害な作用はない。
これらの効果は,支援提供者がドゥーラ役割(病院のスタッフでもなく,産婦のもともとの知り合いでもない,出産中の支援を提供するためだけに存在するような役割)を果たす場合に顕著になることが知られている。
2018年のWHO新ガイドライン「ポジティブな出産体験のための分娩期ケア」の中では,これまでのエビデンスを踏まえて,すべての産婦が,本人が選んだ付き添い者により分娩全期にわたり,継続的に付き添われることが推奨されている。
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