特集 習慣化されたケアをエビデンスから検証する
卵膜剝離は分娩誘発の効果があるの?
福澤(岸) 利江子
1
1筑波大学医学医療系国際看護学
pp.945-947
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201149
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Research Question
卵膜剝離を行なうと分娩が誘発されるのか?
Answer
卵膜剝離は簡便で,母子への副作用がなく,コストがかからず,効果のある分娩誘発法として海外のガイドラインでも推奨されている。特に妊娠42週以上の過期産を予防するため,初産婦は40週,経産婦は41週の妊婦健診時に,内診と併せて卵膜剝離を行なうことがNICEガイドラインでも推奨されている。
しかし,開始する時期(37週以降〜41週のいつか),頻度(週に1回,もしくはそれ以上か),手技の詳細(どのくらい剝離すべきか)などについては十分なエビデンスがなく,助産師などが手技を習得するためのトレーニングも標準化されていない。
いずれにしても,卵膜剝離は「痛い内診」として妊産婦に強い不快感を与えうる処置であるため,方法や目的,リスクについて,事前に十分に説明して本人の意向を確認し,同意を得てから実施することが肝要である。
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