助産テラス
—ジョーン・ドンリー—「助産師か,さもなくばモアか?」—スピーチ全訳(前編)
古宇田 千恵
1
1日本妊産婦支援協議会りんごの木
pp.46-51
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200929
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スピーチ原稿を翻訳するにあたって
「I need the midwife!」,これは,日本で助産師として働いた経験をもちながらもニュージーランドの産科病棟で看護師として働いていた人が,授乳のトラブルで困っている母親に「I can help you」と声をかけた時に,その母親から言われた言葉である。胸に「registered nurse」と書かれたバッジをつけていたので,母親にはナースコールに応えてやってきたスタッフが,助産師ではなくて看護師であることがすぐにわかったのだろう1)。
「看護師さんじゃなくて,助産師さんを呼んだんですけど!」と言えるくらい,ニュージーランドでは,母親たちの目に助産師の存在と役割がはっきりと見え,看護師と明確に区別されている。そして,母親たちに「私には,妊産褥婦の専門家によるケアを受け,大切にされる権利がある」という意識がごく普通の感覚で根づいている。
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