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生きる―チンドン
田邊 順一
1
1日本写真家協会
pp.615-618
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207783
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大井勘至さん,72歳。東京深川で生まれた。チンドン屋になって60年。3日も家のなかに居ると,病気になってしまうという大井さんだ。都内近県はもちろん,遠くは石川県,岩手県の辺りまで出かける。仕事先きは開店披露,大売り出し,ときにはホテルの結婚式や寺の開山忌に呼ばれることもある。なかには人を集めて無料で小物を配り,最後に高価なものを売りつける,といったあぶなっかしい商売のときもある。だが,きた仕事は拒まない。世の移り変わりをチンドンたたきながら感ずるのである。
チンドン屋は普通3人1組が多い。チンドンとドラム,そして楽士の3人だ。それに旗持ちが加わると4人,さらにビラ配りが入って5人になることもある。
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