特集 簡易臨床検査法
血清
エルドンカード
二之宮 景光
1
1東大付属病院輸血部
pp.937-941
発行日 1967年12月5日
Published Date 1967/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916280
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型不適合輸血の防止は輸血関係者の常に最大の課題の一つであり,このためには適正な手技,良質な器具と試薬ならびに細心の注意をもって血液型の判定を行なうべきことが繰返し強調されている。しかもなお血液型の誤判定を100%除外することは実際上不可能といわねばならず,ことに臨床検査施設の不充分な小医療施設や緊急輸血の場合には誤判定の危険性がきわめて高く,このような時にこそ検査精度が高くかついわゆる事務上の書き写しのエラーの入り込む余地の少ない血液型判定法の実現が望まれるし,また検査成績の記録が後日の点検に供覧することができるならばさらに好都合のものといえよう。
このような要望をみたすためにK.Eldonによって考案されたいわゆるエルドンカードは,わが国においてもすでに二,三の使用経験が報告されているが1)〜3),東大病院輸血部における予備的検査,および第二外科ならびに胸部外科における臨床経験をもととして,実態を報告かたがた使用法の要点を紹介することとする。
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