レポート
A県の病院に勤務している助産師の「助産師出向システム」への出向に対する思い
都甲 愛未
1
,
石岡 洋子
2
1前 大分県立看護科学大学看護学部
2前 大分県立看護科学大学看護学部助産学研究室
pp.46-50
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200678
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緒言
全国の助産師の就業場所は,病院61.9%,診療所25.9%1)で,6割以上の助産師が就業する病院では,ハイリスク分娩の増加や病棟の混合化による助産師の助産実践能力を獲得する機会の減少,キャリア形成支援,助産実践能力の強化支援が課題となっている2)。日本看護協会は,助産師の適正配置とキャリア開発支援として,2013年より「助産師出向システム」を推進している。このシステムは,病院勤務助産師の就業先の偏在是正や助産実践能力の強化につながる3)として,その効果が期待されている。
A県は2002年以降,産婦人科医師数が減少傾向にある。分娩取り扱い施設の多くは県の中心とその周辺地域に偏在し,分娩取り扱い施設の空白地域が存在している。また,A県ではハイリスクな妊産婦は病院へ,正常な妊娠経過をたどる妊産婦は診療所へという,産科医療における集約化が進められている。A県は病院勤務助産師の就業先の偏在が見られ,その是正に助産師出向システムの活用が効果的と考えられるが,導入は進んでいない。そこで本稿では,A県の病院に勤務している助産師の助産師出向システムへの出向に対する思いを明らかにすることを目的とする。
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