研究・調査
女子大学生における月経に対する認識と月経トラブルへの対処行動意図との関連
大川 智恵美
1
,
入山 茂美
2
,
鈴木 明日香
2
1東京大学医学部附属病院看護部
2名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻
pp.70-76
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200105
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緒言
月経は女性の健康にとって重要な生理的現象であるが,思春期から青年期にかけての女性は,月経に関するトラブルを抱えていることが多い。川邉ら1)の研究では,対象とした女子大学生5308名のうち24%が月経周期不順を経験していた。20〜24歳の8割に月経痛があり2),女子大学生で日常生活に困難をきたすほどの痛みのある者は6割にも上るとの報告もある3)。
多くの女性が月経トラブルを抱えているにもかかわらず,月経トラブルに対する医療機関への受診を含めた対処行動が適切にとれていない女性も多い。月経時に気になる症状があっても,「我慢をする」と答えた女子大学生は26.3%にも上ると報告されている4)。島本ら5)の18〜22歳の女子大学生を対象とした研究では,若年女性の月経に関連した自覚症状は高率にあるにもかかわらず,受療行動につながることが低いと指摘されている。
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