特集 産婦人科の治療その限界と展望
日常臨床上よくぶつかる頑症疾患の治療の限界
婦人科
過多月経・過少月経
鈴木 秋悦
1
,
板倉 紘一
1
Shuetsu Suzuki
1
,
Koichi Itakura
1
1慶応大学医学部産婦人科学数室
pp.1088-1090
発行日 1972年12月10日
Published Date 1972/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204723
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月経異常には,周期,持続期間,経血量の異常などがあげられるが,過多月経(Hypermenor—rhae),過少月経(Hypomenorrhae)は,いずれも経血量の異常に入る。しかし,経血量が多いか,少いかという判定は,自覚的あるいは他覚的にも,その基準がはつきりせず,治療の目標が立てにくいことは,日常の診療上でも,しばしば経験するところである。
過多月経の原因としては,器質的なものと機能的なものに大別される。器質的な原因が過多月経の原因となつている場合は,もちろん,原疾患の可及的早期の除去が第1である。過多月経を惹起せしめる器質的疾患としては,子宮筋腫が最も代表的な疾患であり,頻度も最も大であるが,その他,骨盤内の炎症性疾患,子宮内膜症,子宮内膜ポリープ,Adenomysosis,子宮癌などがあげられている。
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