連載 裁判例から読み解き,臨床に活かす ゆりかご法律相談・10
助産師の証拠改ざんの法的責任—看護師が偽証罪に問われた事例をもとに考える
友納 理緒
1
1土肥法律事務所
pp.1002-1006
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200026
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今回のテーマ
平成14年,ある産婦人科の看護師が偽証罪に問われた事件がありました。偽証罪(刑法169条)とは,法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をすること,すなわち,裁判の場で,嘘を述べるということです。この看護師は,医師に頼まれ,事実を隠ぺいしようとして嘘を述べてしまいました。その結果,懲役1年(執行猶予3年)という有罪判決を受けました[もちろん医師も有罪〈懲役1年6月(執行猶予3年)〉でした]。
本連載第7回の最後に,看護師が刑事責任を問われる事例はとても少ないが,診療録や助産記録の改ざんや口裏合わせといった証拠隠滅行為は,別の罪を構成することになるので注意が必要であると述べましたが,この事件はまさにそのような事件でした。
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