連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・98
母の不思議な第6感
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Center
pp.544-545
発行日 2012年6月25日
Published Date 2012/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102217
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その産婦は直径60cmほどの深めのたらいと一緒にトライシクル(三輪車)から降りてきた。たらいがカバン替わりのようだ。
産婦の名前はソフィア。32歳で6回目のお産になる。今までの子どもはすべて同じ産婆に自宅で取り上げてもらったと言う。今回に限り産婆が不在でなぜかここに来ようと思ったそうだ。大抵の産婦は病院や産婆への支払いができないからここへ来る。ソフィアもきっとそうだろう。私はあまり気にせずにいた。
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