レポート
帝王切開分娩の受容と継続支援―マタニティアクア受講の2事例へのサポートから
横手 直美
1
1中部大学大学院生命健康科学研究科
pp.832-837
発行日 2011年9月25日
Published Date 2011/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101994
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はじめに
近年,妊婦の間では妊娠中の健康管理と安産を目的として,エアロビクス,ヨーガ,スイミングなど,多様な妊婦スポーツが行なわれている。参加者は妊娠経過に異常がないことが前提であるが,妊婦の努力にもかかわらず,何らかの医学的適応で帝王切開(以下,帝切)分娩となる者もいる。
帝切分娩の褥婦は出産体験に対して,自然分娩の褥婦よりも否定的な感情を抱きやすいことが知られている1)。妊娠中積極的にエクササイズを行ない自己管理に努めている妊婦はそれだけ出産への期待も高く,分娩形式や実際の出産体験が期待に反した場合のショックや落胆は大きい傾向がある。こうした妊婦が帝切分娩を受容するためには,どのようなケアが求められるのだろうか。
本稿では,スポーツクラブで開講されているマタニティアクア(以下,MAQ)2)に参加した妊婦のうち,帝切分娩となった初産婦の2事例について報告し,帝切分娩の受容と継続支援について考察する。
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