レポート
オーストラリア ニューサウスウェールズ州における帝王切開分娩の母子に対するケア(前編)
横手 直美
1
1中部大学生命健康科学部保健看護学科
pp.134-139
発行日 2009年2月25日
Published Date 2009/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101380
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はじめに
わが国の帝王切開率(以下,帝切率)は最近15年間で2倍に増加し,病院では5人に1人が帝王切開(以下,帝切)で子どもを出産している1)。今後も女性の晩婚化や不妊治療の進歩に伴う高齢妊娠,未熟児医療の進歩などにより,国内全体の帝切率は上昇を続けると予測される。一方で帝切後の在院期間は短縮化しており2),効率よく質の高い看護を提供することが一層求められている。
オーストラリアの帝切率は日本よりも約10%高く,術後の在院期間は半分以下である。こうした状況で帝切分娩の出産前教育やケアがどのように行なわれ,退院後どのようにフォローされていくのかを筆者はかねてより知りたいと思っていた。このたびニューサウスウェールズ(NSW)州にある3つの病院で短期研修を行なう機会を得たので,そこで見聞した内容と感じとったことについて報告したい。
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