連載 りれー随筆・319
管理者となって見えてきたこと
富田 恵子
1
1鳥取大学医学部附属病院NICU・GCU
pp.650-651
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101951
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子ども嫌いから一転,新生児看護に没頭した日々
看護師として初めて就職したのは,関西にある労災病院でした。外科病棟で数年勤務したあと,故郷である鳥取県米子市の大学病院に就職しました。最初の配属は産科病棟でした。配属を聞いた当初は,「助産師でもないのに」といやで仕方がありませんでしたが,少し肩身の狭い思いをしながらも看護師としてなんとか2年間勤務しました。
その後NICUへ異動を命じられました。当時,独身で子どもが嫌いだった私にとって,これまた苦痛の日々の始まりでした。ところが,今思えば当たり前のことですが,新生児の可愛らしいこと。1人ひとりに個性があり,苦しければ眉間にしわを寄せてつらそうに,楽になれば穏やかに,いろいろな表情,反応を見せてくれます。しばらくの間,新生児看護に没頭することとなりました。
しかし,もともと大雑把な私は,新生児看護特有の繊細さによるストレスと「井の中の蛙」になりたくないという思いで,2人目の子どもの育児休暇明けに成人病棟を希望し,希望通り配置転換となりました。ところが数年後,縁あって再びNICU・GCUへの配属を命じられました。振り返ってみれば,私の看護師経験22年のうち,半分以上の年月で新生児看護に携わっていました。
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