連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・75
母乳という栄養源を断たれたジェイの苦しみ
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.566-567
発行日 2010年6月25日
Published Date 2010/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101675
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医療のもとに栄養源が奪われる
今まで,いったい何人の乳幼児を単純な下痢や感染症,肺炎などで失ってきただろう。母乳栄養であれば亡くならずにすんだと思える事例は,あまりにも多い。
母乳栄養でない貧困家庭の乳児は,病気が深刻化すれば不幸な機転をたどることが多い。高価な粉ミルクは買えないため,重湯に少しの砂糖を加えた「アム」と呼ばれるものが主食になる。結果,慢性的な栄養失調に陥り,病気になった場合は重症化が早く回復が遅い。
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