連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・57
微笑まなければ生きていけない
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.1192-1193
発行日 2008年12月25日
Published Date 2008/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101353
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生き抜くために微笑む子ども
貧困で特に他人の世話にならなければ生きられなかった子たちは,いつでも微笑むくせがある。生き抜くために自然と身についた知恵なのだろう。しかし子どもらしく感情に任せて泣いたり,甘えたりできない子が本当に幸せなわけはない。
今から3年前,里子で育てられているラックが診療所にやってきた。その変わり果てた姿に私は驚きの声をあげた。ラックは苦しいなか,微笑んでいた。
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