昨日の患者
天国で微笑む父親
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.96
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104923
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- 文献概要
親にとっての最大の関心事は,子供の行く末である.幼子を残して逝かざるを得ない患者さんには,同情に堪えない.しかしながら時がすべてを癒し,そして人はどんな逆境でも乗り越えられる忍耐力を持っているものである.
20年ほど前,30歳代後半のHさんが食欲不振を主訴に来院し,精査を行うと胃癌であった.そこで胃全摘術を施行したが,スキルス胃癌ですでに癌性腹膜炎を伴っていた.しかしながら若いだけに,術後の回復は早かった.そして家族のため,退院早々に仕事に復帰した.
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