内科エマージェンシー 私の経験
心嚢穿刺は四たび微笑む(黎明編)
高橋 俊明
1
1平鹿総合病院第2内科
pp.70
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907057
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ある公立病院に勤めていた6年前の,のどかな秋の休日のことである,病棟へ行ってみると,42歳の男性が“脱水”として入院していた.
浅黒く口に焼けたこの屈強な男性が呼吸困難と胸痛を訴えて最初の入院をしたのは,前年の7月だった.左に血性胸水5,000ml.診断は悪性胸膜中皮腫.化学療法と胸膜癒着術を行って退院し,その冬には出稼ぎにも行ったのだが,ここ5日ほど前から腹満と嘔気のため摂食できず,前夜来院したところを当直医が入院させたのだ.
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