連載 今月のニュース診断
広報と教育が診療システムを変える―経済効率の改善のために
田倉 智之
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1東京女子医科大学大学院先端工学外科学分野専攻
pp.76-77
発行日 2007年1月25日
Published Date 2007/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100939
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広報と教育に注目すべき
最近,東洋大学(東京都文京区)の学園祭・白山祭で,現役の看護師や助産師らのグループが助産師の活動などを紹介しているのを拝見した(「助産師が大学祭で啓蒙活動」,オーマイニュース・インターナショナル,平成18年10月28日)。医療系・看護系の学部がない大学で,医療系の自主グループが学園祭に参加するのは珍しいと思われる。ただ,将来,患者・家族になる学生や市民に,医療のシステムをちゃんと理解してもらい,うまく診療機能を利用してもらうためには,このような地道な活動が必要不可欠なアプローチであるという印象を受けた。
このアプローチの中における肝としては,次の2つのコンテンツが挙げられる。それは,「広報」と「教育」である。医療分野における広報と教育は,読者もすでに理解されているように,他産業に比べて規制によるしばりが比較的強い分野である。また,教育はともかく,広報は医療において今まで比較的軽んじられてきたテーマといえる。さらに,教育も,専門職の育成制度はそれなりに確立され充足化が図られてきているが,利用者側の教育については制度的な手当がなかったと考えられる。
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