特別寄稿
産科医師不足の代替案として注目されている「院内助産所」の経済効果
田倉 智之
1
1東京女子医科大学大学院
pp.1070-1077
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100902
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院内助産所の経済性を検討する切り口とは
経済的効果なくして適切な発展はない
院内助産所が,最近旬である。産婦人科医,小児科医の不足感が増し,破綻の気配を漂わせる昨今の周産期医療システムに対する1つの解決策として,大きな期待が寄せられている。本稿では,この院内助産所の経済的な価値について,現状の医療制度改革の流れを踏まえつつ整理を試みる。相次ぐ分娩施設の閉鎖に対して,院内助産所は問題意識を持つ医療現場の有志から積極的に提案されている点で,非常に有意義なものと考えられる。このような動向に対して,経済的な側面からその有用性(価値)を検証することは,院内助産所はもとより周産期医療システムの今後の適正な発展において重要と推察される。なお,各種議論を整理すると,院内助産所の経済的な有用性として次のような仮説があげられる(表1)。
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