医療の周辺医療経済 医療経済・8
代替案の作製
前田 信雄
1
1国立公衆衛生院
pp.676-677
発行日 1979年8月1日
Published Date 1979/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206936
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経済学はもともと政策の提示のための学問である.単に経済現象を需要や供給などで数量的に説明したり,医療の経済構造の性質をあれこれ批評して終わるものではない.自然科学や実験室のような場での社会実験はなかなかできないが,経済学は,対策,施策,政策ということで考えると,ある新しい方針の実施にかかわる科学である.特に公共的経済機構の下では,その新しい方針での施策が中心となる.そしてこれからは,民間の病院においても,その医療活動や経営状況も地域性を持ち,社会保障との深い関連で進められるものであるから,当然その経済活動も,国民の健康を高め,福祉の充足に寄与するという社会的目標を持ち,効果的効率的活動とならねばならない.このような目標が設定され,効果性や効率性を測る尺度としての様々の手法,そして事業の結果(実績も含む)についての評価方法が開発されると,次に代替案(alterna—tive)の作製が可能となる.
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