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不足する医師
Y
pp.941
発行日 1965年6月10日
Published Date 1965/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200886
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数年前,全国的な規模の病院争議が発生してから,看護婦不足の問題が現在の医療制度の重大な問題として世間の注目をひくようになつた。しかし,全国の開業医の分布や地方の病院の勤務医師の現状をみると,医師不足の問題のほうが,看護婦不足のそれよりももつと重大な問題であるように思われる。最近は地方の病院や診療所だけでなく多くの医科大学においてさえも医師の不足が深刻な問題となつているのである。
ところで,わが国の昭和37年末の全医師数は105,437人で,人口10万対の数は110.8人,医師1入あたりの人口は903人である。これを欧米諸国の医師1人あたりの人口と比較すると,イタリア(610人),西ドイツ(730人),アメリカ(780入)よりは少ないが,イギリス(960人),フランス(993人)よりは多く,オランダ,ノルウェー,カナダ(それぞれ900人)とほぼ同じ水準である。
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