特集 やっぱり開業助産師になろう!開業への一歩を踏み出すその前に
地域社会の人的資源としての助産師―「眠れる潜在助産師」から「地域社会の助産師」へ
白井 千晶
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1REBORN
pp.875-880
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100836
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助産師の全体像と地域で活動する助産師
本特集のあちこちで述べられてはいると思うが,現在,就業している(とされる)助産師数は,平成14年度で24,340名(衛生行政報告例による)。助産師のなかには,助産師歴50年という者もあるから,仮にこの50年の年平均助産師新卒者を2,000名とした場合,50年で10万人が助産師になった計算になる。だから,助産師の資格をもつ者の4分の3は,助産師としての仕事についていないか,死亡したか,あるいは衛生行政報告の「頭数」には数えられていないが何らかの仕事をしているかである。しかし,助産師の「グロス(全体)・ネット(正味)・フロー(出入り)」を把握している者も機関もどこにもない。近年の助産師国家試験合格者は毎年約1,500名であるが,これが助産師就業のネットを維持できる数なのかどうかさえわからない。
さらにこの数字は就業の実態を説明しているわけではない。衛生行政報告例は,都道府県などからの報告によるもので,各方面の「頭数」を計算したもの。頭数に入っていても実働がない者もあるだろうし,逆にフリーで活動していればどこの機関にも頭数として計算されていない者もあるだろう。
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