北から南から
まだまだ健在助産婦さん
pp.72
発行日 1971年9月1日
Published Date 1971/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204221
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自宅でお産するより産院か病院でという人が,どんどんふえている。厚生省看護課の調べでは,昭和25年の自宅分娩は全国で95%だった。それが35年になると,自宅と自宅以外(病院や産院)が半々。そして現在東京では自宅分娩はゼロ。地方の都市や農村にいくらかある程度で,その数もぐっと少ない。それで助産婦さんはどんどん廃業・転業して減っていった。現在,東京品川で助産院を開業している助産婦歴50余年の田中志ずさんはこういう。
「戦前はもとより戦後も20年代までは自宅分娩される方がほとんどでしたが,病院などを利用されるようになったのは30年代に入ってからで,それもはじめは,アパートに住んでいて住宅事情が思うにまかせない人たちが多かったようです。30年代の後半になって,みなさん衛生知識も高まり,異常分娩のときの不安もあって,産科のある病院で産むようになったのです」
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