特集 地域と施設を結ぶコラボレーションシステム
海外のコラボレーションシステム
1人ひとりにより添うマタニティ・ケア―ニュージーランドの妊娠・出産・産褥ケアの担当責任者制度
戸田 律子
1
1バースエデュケーター
pp.1033-1039
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100629
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1人ひとりの妊産婦を大切に
私がニュージーランドを訪れたのは,風薫る2002年10月末の南半球の春爛漫の頃だった。ニュージーランド人のガーデニング好きは天下一品で,どの庭も自慢の色とりどりの木々や花々に飾られ,とても美しい。九州と四国をあわせたぐらいの広さの緑豊かな土地に,横浜市の人口とあまり変わらない380万人程がゆったりと住んでいる。ちなみにヒトより羊の数のほうが12倍も多いそうだ。ヨーロッパ系の白人の他,先住マオリ族や周辺国のアジア人を含む移民が20%以上を占め,出産件数は,年間5万7千件ほどである。
ここに生息する,あの飛べない弱虫の鳥のキウイにちなんで,ニュージーランド人は自らを茶目っ気たっぷりに「キウイ」と呼ぶ。自然を守り,個性を尊び,弱者を大切にする国民性がここにも現れている。
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