特別寄稿
在日外国人母子支援ガイドライン―地域母子保健実践活動の分析と提言から
李 節子
1
,
今泉 恵
2
,
澤田 貴志
3
1東京女子医科大学大学院看護学研究科
2カラバオの会(外国人支援団体)
3神奈川県勤労者医療生活共同組合港町診療所
pp.680-688
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100575
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はじめに
日本に暮らす外国人人口は,2001年末の外国人登録者数をみると約178万人,日本の総人口の1.4%,地域住民の72人に1人は外国籍住民となっている。これにオーバーステイ人口約22万人を加えると約200万人である。いま,子どもの親のルーツ,人種,文化,宗教,言語は実にさまざまとなってきており,多様性に対応した多文化共生社会における地域母子保健活動が求められる。また,すべての女性はリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(身体と性に関する女性の健康/権利)の理念のもと,安全に妊娠・出産することができ,健康な子どもをもてるよう適切なヘルスケア・サービスを受ける権利を有している。しかし現実には,在日外国人母子へのヘルスケア・サービス内容が日本全体のヘルスプロモーション活動の中で議論されることが極めて少ない。
よって,地域社会の中で危機的状況にあった外国人母子の事例分析から,在日外国人母子へのヘルスケア・サービス,地域母子保健活動のあり方について検討を行ない,外国人母子支援のガイドラインを作成した。
本研究は,平成14年度厚生科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業「多民族文化社会における母子の健康に関する研究」の分担研究として行なわれたものである。
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