特集 在日外国人母子のケア
在日外国人の母子保健—危機的状況にある人たち
吉岡 毅
1,2
1東京家政学院大学
2前:新宿区衛生部
pp.635-640
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901073
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はじめに
筆者が在日外国人の母子保健問題に関心を持つようになったきっかけは,1988年4月に新宿区の衛生部に勤務するようになったことからである。それまで勤務していた都下の八王子から新宿区に転勤して,驚いたことの1つは外国人が多いことで,殊に夜ともなれば,歌舞伎町一帯は国際歓楽街に変貌する。
衛生行政面でも,外国人就学生に結核罹患率がきわめて多いことがわかり,保健所で集団検診を行なったり,エイズの抗体検査や相談指導を始めたりした。また,新宿の大久保百人町には,外国人のいわゆるストリートガールが多数たむろし,風紀上大きな問題となった。このことは旅館業法上,保健所にも関わりがあり,旅館業者と住民との間に立って頭を悩ませたものである。
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