連載 今月のニュース診断
生体肝移植―その実施根拠とドナーの安全
斎藤 有紀子
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1北里大学医学部医学原論研究部門法哲学・生命倫理
pp.622-623
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100563
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ドナー体験者の会
「肝移植ドナー支え合おう」(朝日新聞6月20日)。今年2月,生体肝移植の臓器提供者(ドナー)が集まり,「生体肝移植ドナー体験者の会」を発足させた。中心となっているのは,98年に胆道閉鎖症の子どもに右葉を提供した女性と,4年前に夫がC型肝炎から肝臓がんになり肝臓提供者となった女性。
臓器提供をしたあと,ドナーの健康状態が十分にフォローされていない現状や,患者(レシピエント)が亡くなられた場合に,ドナーと病院との関係が切れてしまうことなど,身体的・心理的に厳しい状況におかれがちなドナーについて,当事者の声を医療現場と社会に届けることを目指してつくられている。「手術後,ドナーが安心してケアを受けられるよう移植医療現場におけるフォローアップ態勢の強化を」と,厚労省に要望書も提出した。
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