連載 今月のニュース診断
中絶胎児の研究利用の是非(その2)
斎藤 有紀子
1
1北里大学医学部医学原論研究部門法哲学・生命倫理
pp.98-99
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100460
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幹細胞研究の可能性
2002年7月号で,中絶胎児の研究利用について記したが,日本における中絶胎児の利用指針が,今,議論されている。
審議が行なわれているのは,厚生科学審議会「ヒト幹細胞を用いた臨床研究の在り方に関する専門委員会」。昨年1月から会議を重ね,12月には,「ヒト幹細胞を用いた臨床研究指針案」をまとめ,死亡胎児の研究利用を認める方向にあった(毎日2002年12月12日)。しかし,国会議員や市民団体から「中絶や死産に直面した女性の精神的ケアはどうするのか」「胎児からの同意をどう得るのか」などの意見書が出され,一転,指針案の決定が見送られ,継続審議となった(毎日2002年12月26日)。
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