連載 今月のニュース診断
中絶妊婦の意思決定過程を援助する
斎藤 有紀子
1
1北里大学医学部医学原論研究部門法哲学・生命倫理
pp.94-95
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100658
- 販売していません
- 文献概要
死亡胎児の研究利用
「〈死亡胎児〉再生医療などの研究に使う動き広がる」(毎日2003年12月12日)。人工妊娠中絶後の胎児細胞を再生医療の基礎研究などに使用している施設が,国内で20か所以上あることが,中畑龍俊京都大学教授の調査で明らかになった。昨年4月,1441か所に調査書を配布,606か所(42%)から回答があったという。
現在,厚生労働省で「ヒト幹細胞を用いた臨床研究の在り方に関する専門委員会」(以下,専門委員会)が,胎児細胞利用も含めた幹細胞研究の指針作りを進めている。中畑氏はその委員長も務めている。
本号は,昨年12号を受けて「新生児にとっての安らかな死」の問題を取りあげる予定だったが,現場の声が反映されないまま審議が進んでいる「胎児利用容認」の動きについて,助産師の方々と問題を共有したく,予定を変更することをお許しいただきたい。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.