連載 今月のニュース診断
少子化対策としての「結婚斡旋」と「不妊治療補助」
加藤 秀一
1
1明治学院大学社会学部
pp.6-7
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100443
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結婚すれば子どもを産む?
独身の男女に出会いの場を提供する市町村事業に対し,厚生労働省が来年度から補助を行なう方針を固めた(朝日11月17日朝刊)。すでに市町村で行なわれてきた事には,お見合いパーティーやクルージング,ハイキングなどの開催や縁結び相談室の設置,仲人への縁結び奨励金の交付などがある。
これを読んだ誰もが,「そんなんで少子化対策になるの?」という素朴な疑問を抱くだろう。従来の県レベルでの取り組みの実績を見ると,最も多額の予算(01年度から2年間で2800万円)を投入した茨城県では,成婚件数は把握されていない。他に,青森,富山,鳥取,島根,岡山,佐賀県などが同様の事業に取り組んでいるが,97年から6か年で約1500万円をつぎこんだ岡山県でも,成婚数は11にすぎない。
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