実践現場での助産師支援としての事例検討―母性看護専門看護師の立場から

はじめに

　筆者はメンタルヘルスにおいては専門外の助産師です。専門看護師としての役割を担っていますが，それはわれわれ母性分野におけるケア実践についてであって，リエゾン精神専門看護師のようなメンタルヘルスへの専門的介入技術はもっていません。しかし一方で，ケア提供者にとってのメンタルヘルスの重要性，サポートの必要性は実感しています。筆者なりに何か役割を担えればとも感じています。

　そして貢献できることがあるとすれば，それはやはり仲間の実践を現場でサポートすること，支え合う環境を提供することだと考えています。問題となる状況についてタイムリーに一緒に考えたり事後に振り返ったりすること，そういう場を日常的に提供することが筆者に担える役割で，これが同僚たちの安心ややる気，モチベーションを支え，メンタルヘルスをサポートすることにもつながればと考えています。

　この現場でのサポート，支え合う環境を維持するなかでの筆者の具体的な活動は，事例検討の機会を提供し，コンサルタントとしての役割を担うことです。