特集 多様化する医療現場にどう適合するか スタッフのための職業感染対策
専門科スタッフの感染リスクと感染対策の実際 看護師の立場から 産婦人科 助産師を中心に
渡邉 さゆり
1
,
吉森 容子
,
佐山 光子
1新潟大学 経営戦略本部男女共同参画推進室
キーワード:
職業性曝露
,
助産師
,
感染予防管理
,
血液媒介病原体
,
病院産婦人科
,
防護手袋
Keyword:
Obstetrics and Gynecology Department, Hospital
,
Nurse Midwives
,
Occupational Exposure
,
Gloves, Protective
,
Infection Control
,
Blood-Borne Pathogens
pp.334-339
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018006180
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はじめに
産婦人科の対象患者は,新生児や妊産婦をはじめ,思春期から老年期まで幅広い年齢層に及ぶ。ケア項目は感染防御機能がほとんどない新生児のケア,分娩介助,母乳育児支援のための乳房ケア,婦人科疾患患者のケアなど多岐に渡る。スタッフは性器出血や膣分泌物,乳汁など,血液・体液への接触機会が多く,環境面でも内診時や分娩介助時の血液・体液の飛散による汚染も多々見受けられる。こうしたことから職業感染対策に関する認識が強く要求されるものの,正常の妊産婦や新生児の世話に従事し,母乳を取り扱う助産師や看護師は,他の医療現場に比べ感染リスクや汚染に関する意識は低い傾向にある1-4)。その根底には,分娩介助や新生児の看護は,病人ではなく健康人のケアであり,医療と異なる認識が影響している可能性が指摘できる。特に,周産期ケアを専門とする助産師は前述の意識により,職務上の感染リスクに気付きにくい環境にあるだろう。しかし,産婦人科領域および助産師の業務は,診察や業務経験のない者にとってイメージしにくい分野であ ると言える。そこで本稿では,産婦人科の助産師の感染リスクと感染対策の実際を紹介する。
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