特別寄稿
全国自治体における不妊専門相談センター事業に関する現状調査
武藤 香織
1
,
黒田 幸代
2
1信州大学医学部保健学科
2篠ノ井総合病院
pp.930-935
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100299
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背景
不妊をめぐって,公的な相談の受け皿の必要性が議論され始めたのは,平成8年5月の厚生省児童家庭局長通知において,不妊の課題に対応するための適切な体制を構築し,生涯を通じた女性の健康の保持増進を図ることが示されてからではないだろうか。
その後,平成12年12月に設置された「健やか親子21」検討会の報告書では,「不妊治療相談体制と医療提供体制の整備」と「不妊専門相談センターを都道府県に設置」があげられ,不妊専門相談センターの事業内容は,(1)夫婦の健康状況に的確に応じた不妊に関する相談事業,(2)不妊相談を行なう専門相談員の研修,(3)その他,とされている。すでに,平成9年ごろから,一部の自治体では独自に相談窓口の設置が始まっていたが,この報告書を受けて,平成16年10月には,すべての都道府県と4つの政令指定都市に設置が完了した。
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