特集 自立できるか自治体立病院
自治体立病院の現状と課題について
安田 充
1
1前・総務省自治財政局地域企業経営企画室
pp.182-188
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100569
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自治体立病院,すなわち地方公共団体が経営する病院には地方公営企業法が適用されるが,同法においては,地方公営企業の経営の原則として,企業の経済性の発揮と公共の福祉の増進を上げ(同法3条),自治体立病院の経営に当たって経済性と公共性の調和を求めている.
自治体立病院が地方公共団体によって経営されるものである以上,公共の福祉を増進する見地に立つべきことは当然であり,それゆえに法律によって予算,財務などの規制を受け,他方,公共的な側面から行われる不採算事業に対し,一般会計からの繰出しを可能にし,地方交付税,地方債などの地方財政措置が講じられている.
一方で,自治体立病院などの公営企業は,財貨サービスを提供してその対価を得るという非権力的な事務であり,民間企業と同様の経済合理性に沿った運営を行っていくことが求められる.自治体立病院を取り巻く環境が変化する中で,近年,この経済性の側面が重視されるようになっている.
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